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SBS:Short Bowel Syndrome(短腸症候群)

SBS Lifeは、患者さんやそのご家族にとって必要な短腸症候群(SBS)に関する情報や、生活をサポートするための情報を紹介しています。

SBS Life〜短い腸のはなし

SBS Lifeは、短腸症候群(SBS)に関する情報や患者さんの生活をサポートするための情報をご紹介します。

栄養と食事ナビ

監修:

おいしい健康 管理栄養士 藤田医科大学病院 食養部 係長
管理栄養士/食物栄養学博士/米国栄養サポート臨床師
一丸 智美 先生

体重管理や体づくりに役立つ栄養と食事方法

"食べる(摂取)エネルギー"と"使う(消費)エネルギー"が適切かを見極めるのに簡単な方法は体重測定です。SBS患者さんは、摂取した食事のうち1/2~2/3しか吸収されない(※1)という報告もあり、体重管理を難しく感じられている方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、適切な体重管理をする上での基本的な食事の内容や、栄養の摂り方の工夫をご紹介します。

体づくりに欠かせない栄養素と食事の基本編

食べ物にはエネルギーのもととなる、たんぱく質、脂質、炭水化物が含まれています。これらは三大栄養素(エネルギー産生栄養素)と呼ばれています。エネルギー源となる他にも、体づくりには欠かせない栄養素です。

これらの栄養をバランスよく食べる一例は「主菜(たんぱく質や脂質)、主食(炭水化物)、副菜(ビタミン類)」が揃った献立スタイルの食事をとることで、三大栄養素を比較的バランスよく摂取することができます。

三大栄養素の主な役割と一汁三菜の献立イメージ

SBS患者さん向け食事のとり方の応用編

一般的な食事方法をご紹介します。この中から自分にあった・できそうな方法があったら体調に合わせて参考にしてみてください。

糖質は消化がよく、たんぱく質は質のよいものを

糖質は繊維質が少ない、白米、食パン、うどん、スパゲッティ、クラッカー、皮をむいたじゃがいもなど、たんぱく質はアミノ酸スコア100と呼ばれている食品、肉、魚、卵、豆腐、乳製品(乳糖不耐症の方以外)をとり入れましょう。

糖質タンパク質が摂れる食品

脂質は適度に

少量でエネルギーが摂取できる脂質も料理にとり入れます。料理に炒め物や揚げ物をとり入れる、サラダにマヨネーズをかけると気軽にエネルギーアップができます。
また、脂質の質を考えることも大切で「必須脂肪酸」と呼ばれる"オメガ3系脂肪酸"と"オメガ6系脂肪酸"は、体の中でつくることができないため、食べ物から摂る必要があります。
オメガ3系脂肪酸はさばやさんま、まぐろなどの魚介類に含まれ、オメガ6系脂肪酸は主に大豆油、ごま油といった植物性油脂に含まれています。

こまめに食べて腸の負担を減らす

SBS患者さんの場合は、少量の食事を回数多く1日6〜8回に分けて食べる方がよいと言われています。基本編で紹介した食事を、分食(少量頻回食)に置き換えてみましょう。朝・昼・夕の各食事には、主菜、主食、副菜を少量ずつ用意しましょう。炭水化物、脂質、たんぱく質といった主要な栄養素をバランスよく摂れます。間食では、炭水化物やたんぱく質、ビタミン類が含まれる食べ物を選んで、栄養バランスを整えましょう。
また「分食(少量頻回食)のとり方と工夫」も参考にしてみてください。

SBS患者さんは、残存している小腸の部位や体質によって個人差が生じます。担当医師や管理栄養士と相談しながら、自分にあった食事方法をみつけていきましょう。
1日に摂取するエネルギーやたんぱく質については、医師、管理栄養士にご相談ください。

※1 P Crenn, M C Morin, F Joly, S Penven, F Thuillier, B Messing. Net digestive absorption and adaptive hyperphagia in adult short bowel patients. Gut 53: 1279-1286, 2004.  https://gut.bmj.com/content/53/9/1279

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