加治 建 先生
久留米大学医学部
外科学講座小児外科部門
主任教授(取材当時)
取材:2022年1月20日(木)
小児の短腸症候群(SBS)は多くの場合、新生児期や乳児期早期に発症しますので、患者さんに対するご家族の心配は特に大きいと思います。手術直後の時点では、失望感がとても強いかもしれません。しかし今は小児外科医も、SBSに関して経験を積んでいますので、治療に関することはもちろん、患者さんの生活のことも含めて安心して相談してみてください。また、最近は手術の手段を含め、多くの治療法が出てきており、患者さんの状況に応じて選択できる方法が増えています。新しい治療法の一つとして薬物療法も登場し、わが国でも使用できるようになりました。
SBSの患者さんは長期間にわたって治療を受ける必要があり、不安を感じる方も多いかもしれません。けれども、今は様々な治療法がありますので、ご家族はぜひ、お子さんの将来が夢多きものになるよう、一緒に治療を続けていっていただきたいと思います。私たちもご家族とともに、そして、患者さんが次第に成長していけば患者さんとも一緒に協力しながら、継続してSBS治療に取り組んでいきたいと思っています。