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SBS:Short Bowel Syndrome(短腸症候群)

SBS Lifeは、短腸症候群(SBS)に関する情報や患者さんの生活をサポートするための情報をご紹介します。

SBS Life〜短い腸のはなし

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患者さんからの
メッセージ

高橋正志さんの物語(記事)

高橋正志さん

短腸症候群の会の設立に至る道、現在、そして未来へ
[キーワード] 絞扼性イレウス、学校生活、ブログ、短腸症候群の会設立、将来の展望

 

絞扼性こうやくせいイレウスを発症し、その後入退院を繰り返し、14歳の誕生日に手術を受け、短腸症候群となった高橋正志さん(取材当時44歳)。周囲に短腸症候群患者さんがいない環境のなかで、自ら情報を集めるため、そして社会とのつながりを求めるために、短腸症候群の会を設立しました。たった一人で立ち上げたブログは、現在では97名の会員数を誇る短腸症候群の会へと発展しました。そこに至る道のり、現在、そして今後の展望についてお話を伺いました。

14歳で短腸症候群に

高橋正志さんの物語

短腸症候群になったのは14歳の誕生日、ちょうどクリスマスでした。
その1年ぐらい前に絞扼性イレウスになり、以来、1年間の間に4回、入退院を繰り返しました。

その4回目の入院のときに、イレウスチューブが入らないと言われ、手術するしかないということになって、短腸症候群になりました。

手術のあとは、ちょうど2ヵ月ぐらい、翌年の2月に退院しましたが、すぐには学校に復学できず、復学したのは同年の4月からでした。

短腸症候群について模索するなかで人知れぬ苦労を重ねて

当時、私も主治医の先生も短腸症候群についてよく知らないということで、完全に模索状態でした。

そのときの主な症状としては、下痢の回数が多かったことと、下痢になったことで就寝中に便失禁してしまうことがありました。そのために学校生活では給食のあとにトイレに行く必要があり、当時はトイレに行くというと結構からかわれるという時代でしたので、できるだけ気づかれないように、学校内の人気のないトイレ。それでいて、やはり排便するのにきれいなトイレを探して、昼休みを過ごしていたことを覚えています。

2008年に短腸症候群の会の前身となるブログを立ち上げる

高橋正志さんの物語

2008年にブログを立ち上げたころは、大学も辞めて、自分なりに何かできることはないか、就労につながるようなことはできないかをいろいろ模索していた時期でした。

ちょうどネットが使えるようになってきたので、少しでも社会とのつながりとか、ブログを通して仕事ができないかと模索していた時期に始めたというのがきっかけでしたね。

同じ短腸症候群患者さんと初めてつながる

ブログを始めるまでは、周りに同じ病気の患者が全然いない。主治医の先生も担当している患者はいないという感じでしたので、極端な言い方ですけれども、世の中に短腸症候群の患者は自分だけというように思えていたところもありました。

同じ病気の患者の方からコメントをいただけ、自分ひとりではないんだというように思えました。

それから、他の方は違う治療を受けられていたりとか、違う経験をされているとか、参考になることがあったり、逆に自分から伝えられることがあったり。だから、とても充実していたというか、本当に世界が広がったというような感じがしましたね。

2014年に短腸症候群の会を法人に

法人化を決断したのは、患者会にしっかりとした形が残るようにしたかったというのが理由です。

当時、患者会の活動は私個人の活動としてやっておりましたので、私に何かあったときはそのまま患者会の活動が終了してしまう可能性がありました。

それを防ぐためにも、他の方に活動を引き継ぎやすくするために法人化いたしました。

一人で立ち上げたブログが会員数97名を誇る患者会へと

短腸症候群の会は、2022年11月30日現在で全国に97名の会員がいます。

高橋正志さんの物語

主な活動としては、Zoomを使ったオンライン交流会ということで、毎月第3日曜日に行っている「おしゃべりカフェ」と、年1回、専門医の先生をお招きしての講演を含めた交流会を開催しております。その他の活動としては、会報の発行。

それから、現在はコロナの関係でちょっとできなくなっていますが、全国の難病相談支援センターなどを訪問し、短腸症候群や会の活動について啓発活動を行っております。 毎週金曜日に電話相談を受け付けたりもしております。

短腸症候群の会を設立したからこそできたかけがえのない経験

患者会の活動を始めて一番よかったことというのは、日本における短腸症候群の中心的な先生方とつながりを持てて、その方々から短腸症候群の最新の治療というか、一番いい情報をいただけたというのが大きかったですね。

高橋正志さんの物語

それから、患者会になったことで、全国の難病相談支援センターなどに挨拶に行って、短腸症候群とか会の活動について啓発活動なども相手していただけるようになったというのも非常に大きかったことだと思っております。

その他としては、他の会員の方、患者や家族の方と交流することができて、受けられている治療であるとか、使われている薬剤などの情報などを知ることができて、それを自分の生活に取り入れることができて、自分の生活もちょっと改善できたりしたときは本当によかったなと思いますね。

患者会のめざす今後の方向性―海外の患者会と交流へ

患者会の今後としては、現在、中国の短腸症候群ケアセンターの方々とメールでのやり取りが始まっており、今度、初めてのオンライン交流会をやって情報交換をしようということになっております。

日本だけではなく、海外の患者や医療関係者がどのような治療を行っているか、支援を受けているか、生活しているかを知っていけたらなと思っています。

国内でも、新たな形態での活動を模索する

国内での活動としては、短腸症候群の会を介さないでSNSを使って患者同士がつながるようになってきているようなので、会で一番の中心になっている活動のオンライン交流会の開催から、社会に対する啓発活動であるとか、また患者や家族の声をとりまとめて社会につなげていく、訴えていく活動であるとか、あとは患者に対して情報提供であるとか、少しシフトしていこうかなと思っています。

短腸症候群患者さんに伝えたいメッセージ

いま短腸症候群の患者というのは、難病とも言い切れず、身体障害とも言い切れずという感じで、孤立されている患者や家族の方が少なくないですし、また、中心静脈栄養などがうまくいっていない、栄養療法なども栄養が十分摂れていないという方で結構悩まれている方、将来を悲観されている方というのがいらっしゃいます。

そういう方々に、短腸症候群という病気はそんなに将来を悲観するような病気、障害ではないということを知っていただいて、前向きに過ごしていただけたらなと思っております。

また、患者会としましても、そういう方々が一人でも少なくなるように支援していきたいなと思っております。

短腸症候群の会については、お役立ち情報 患者会についてをご覧ください。

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