増本 幸二 先生
筑波大学
医学医療系 小児外科 教授(取材当時)
短腸症候群(SBS)の病態は患児一人ひとりで異なるため、お子さんに合った治療法の選択が必要になります。主治医の先生としっかり話し合いをしたうえで、先生の方針に沿って治療を進めてほしいと思います。
SBSの治療は長期にわたりますので、時には不安に思うこともあるでしょう。その際は不安を抱えたままにせず、セカンドオピニオンを求めることも一つの解決法になります。
SBSという病気は、お子さんの成長とともに生じる問題を一つずつクリアしながら治療が進みますので、どうしても時間がかかります。他にもたくさんの子どもたちや親御さんが根気強く一生懸命治療していますので、そうした人たちの話なども参考にされながら、前向きに治療を続けていただきたいと思います。
長期の治療においては、さまざまな苦難を伴うこともあるでしょう。周囲にいるわれわれは、それを乗り越えられる社会をつくる必要があります。新しい治療法や治療薬は、将来必ず出てきます。現在の治療法や治療薬も、ひと昔前はなかったものです。つまり、今後も新しい治療法や治療薬を手にする可能性が高いということです。諦めずに、主治医の先生と一緒に、お子さんと一緒に、治療に専念してください。治療法は確実に進歩しているのですから。